はじめまして、戸田梨恵(うみねこ)です。 2006年7月から、白血病(ALL:急性リンパ性白血病)の治療をはじめました。 弟と妹から3座違うハプロ移植を2回して、今は寛解を維持しています。日々の出来事を綴っていきたいです。コメント、大歓迎です。
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急性リンパ性白血病の再発後の維持化学療法中、
その彼と、一度だけ六本木ヒルズに映画を観に行ったことがある。
まだ再々発する前のことだ。

まだ体調も思わしくない貧血の中、彼の自転車の荷台にのって、けやき坂を風をきって上った。

そして、ヒルズから見下ろした夜景。
普段は意識しないような光景。
しばらくぶりに、東京の景色を改めてゆっくりと見た。
そこには、私が病気になってこれだけ心や外見が変わっていても、
何も変わらない東京タワーと夜景があった。

どれだけ揺れても、揺さぶられても、私はきっとまた、ここに戻ってくるだろうとそう確信した。


そんな貴重な彼は、夢を叶えて東京を去ってしまった。

大学院時代、自分の能力のなさに落ち込む私に、アッサリと彼は言った。

「気持ちは分かるよ。
 でも、できることは、前へ進むことしかないんだよね」

・・・ハイ。
おっしゃる通りです。

そうなんだよね。
立ち止まらずに前進すること。

それは、誰だって頭の片隅では分かっていることだと思う。
人にだってそうアドバイスするだろう。
けれど、いざ自分の問題となったときに、それを実践することは恐ろしく難しい。

きっとここにまた戻ってくる・・・その決意の後、つらいことがたくさんあって、
私はくじけかけた。いや、くじけてしまった。



水戸黄門の有名な歌がありますよね。

「後から来たのに追い越され~泣く間があるなら、さぁ歩け~♪」

置いていかれるーって泣いている間に、もっと追い抜かれてしまうのです。
つまり、距離を縮めるには、カメカメでも、のろのろなでも、のろまなカメでも、歩くしかないのだ。
童話のウサギとカメのように。

突然に振ってきた現実に、思わず立ち止まってしまうこともあるだろう。
それは、とても自然なこと。
人ならば、当たり前のこと。

でも、深呼吸したら、ゆっくりでも歩いて行こう。
そうすれば、届かなくとも、少しでも距離は近くなるはずなのだ。

そして、どれだけ揺さぶられても、いつか戻ってくる。この場所へ。
自分の芯をしっかりと持つことの大切さ。
へらへらと笑って立っていることの強さ。

いつだって上を向いて歩く必要なんてないのではないかと、私は思っている。

というのも、私は下を向いて過ごすことが多いから。

本当につらい時、涙がこぼれないように空を見上げてみる。
それでも重力に涙が耐え切れなくて、目じりからどうしても涙がこぼれるとき・・・
そんなときは、うつむいて過ごす日々も多かった。

どれだけ泣いても、泣いても、枯れないくらいの涙。
そしていつしか、涙は流れることすらなく、記憶のない日々。

けれど、ときどき、上を向くことを思い出せばいいんじゃないのかな、と今は思う。

今だからそんな風に思えるのかもしれない。
けれど、今、あの時の私に出会えるならば、そう言ってそっと抱きしめてあげたい。

そして、生きていく上でどうしようもない現実に翻弄されようとも、
その現実は受け入れて、その中で、そして自分にできることをやっていきたい。

柳に強風がふきつける。揺れまくる。
傾いて戻れなくなりそうなときもある。

けれど、きっと戻れる。

それは、もといた場所と全く同じではないかもしれない。
だが、芯にあるものは変わらずにいられると思う。

その姿は、きっと凛としていて美しい。

辛いとき、悲しいとき、生きていくひとつの知恵として、
柳のようなしなやかさを身につけていたい。

そしていつか、柳…いや、コンニャクに花を咲かせよう。


それが、今の想い。


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【2011/12/01 23:43】 | [言の葉]言の葉
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2011/12/03(Sat) 20:29 |   |  #[ 編集]
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